１００回（草のにおい）

毎度みほちゃんは「ヨモギの作品（？？？）がいいにおいだよ～。」と言う。

いいにおいなのは知ってる。
だって、ヨモギを川から持ってきたのは私だもん。

私はいつも「ふ～ん。」などと生返事をしていた。

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先日作ったヨモギのかごみたいなのとおさかなの形のモノを
みほちゃんは壁にかけてくれている。

私が
「かりかりに乾いた？手でがしがし触ったらばらばらにになるくらい乾いた？ひひ。」
と言ったら

みほちゃんは壁からはずして持ってきてくれた。

それが、いいにおいだった。
生の草とは違う、いいにおいだった。

人に何度も何度も「いいにおいだよ。」言いたくなる、いいにおいだった。

そうか。
みほちゃんが言っていたのはこのにおいのことだったのか。

私は、乱暴に触ったらばらばらになりそうなヨモギのかごのにおいを
何度も何度もかいだ。

かぐたびに、人がしあわせになる世界的大発見をしたような気持ちになった。

（大げさ？）

（いやいや、本当にいいにおいなんだよ。）

（みほちゃんに「だ～か～ら～っ。」って言われる～。）